北見市で今年一月、三人が一酸化炭素中毒で死亡したガス漏れ事故で、ガス管の金属疲労や地盤沈下など複合的な要因で管が破断したとする専門家の鑑定結果を道警が得ていたことが二十九日、分かった。道警は北海道ガス(札幌)について、ガス漏れの発生原因では刑事責任を問うのは難しいとみているものの、同社は事故発覚二日前にガス漏れ通報を受けており、道警は対応に過失責任がなかったか、業務上過失致死傷容疑で慎重に調べている。
道警は北大と北見工大の計三人の教授らに鑑定を依頼した。
鑑定は、死亡事故が起こった同市春光町の現場付近は川を埋めた旧河道沿いにあり、地盤がもろく、地盤沈下が起こっていたと指摘。さらに地上を通過するトラックなど大型車両の重量や振動が圧力となり、地中一・五メートルの場所にある鋳鉄製のガス管の一部に亀裂があったことも分かった。地盤沈下による圧力と金属疲労で管が一気に破断、ガスが漏えいしたと結論づけた。同様の報告は経済産業省の調査委員会もまとめている。
鑑定結果を受け、道警は北ガスが事故の発生自体を防ぐことは困難だったとみている。
ただ、事故発覚の二日前に現場付近でガス漏れ警報器が作動しながら北ガスは微量漏れと判断したことについては、同社が適切に対応していれば事故拡大を防ぐことが可能だったかどうか、引き続き慎重に調べている。
(北海道新聞より引用)
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