三月の札幌市内は雪が少ない。降雪を観測した日は今月一日以降、二十一日までに五日間しかなく、累計降雪量も過去三十年間で四番目に少ない二二センチと、記録的な「少雪」だ。年によっては彼岸ごろ、どっと「春の雪」が降ることもあるが、「今後の降雪の可能性は極めて低い」と日本気象協会北海道支社。どうやら、今年の冬は一カ月ほど早く去ってしまったようだ。
同支社によると、今月降雪を観測した五日間をみると、一日の一三センチが最多で、ほかの四日間はいずれも一-四センチとちらついた程度だった。
この少雪のおかげもあり、雪解けはどんどん進んだ。二十一日午後六時現在、札幌の積雪は平年を三二センチ下回る一六センチ。また昨年十一月からの累計降雪量も平年より一七四センチも少ない四二三センチにとどまっている。
少雪の理由は何か。同支社の中村一樹気象情報課長(39)は「実は二月の“ドカ雪”は、例年三月に来る『春の雪』だった」と解説。季節が一カ月前倒しされ、もう四月の気候なのだという。
中村課長によると、例年三月の雪は晩冬まで残る冬型の気圧配置によるもの。ところがこの西高東低の気圧配置は今月に入ってほとんどなく、本来四月に見られる南高北低の気圧配置に変わってしまった。
とりわけ典型的なのは九日。市内の最高気温は十度を超えたが、天気図を見ると、北に低気圧、南に高気圧がしっかりとあった。
早い春の到来は、地球温暖化の影響かとも思えるが、中村課長は「関連を結びつけるのは難しい」と、天気の気まぐれだとみている。
心配なのは今後、再び冬型の気圧配置に戻ることだが、「その可能性は低い。降雪もほとんどなさそう」という。三月下旬の気温も平年より三、四度高めで推移する見込み。
(北海道新聞より引用)
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