夕張市の財政破たんに伴って二〇〇六年十月から閉鎖されている石炭の歴史村の遊園地「アドベンチャーファミリー」の大観覧車など全十一の大型遊具が、近く解体・撤去されることが九日までに決まった。遊具は破産管財人の管理下にあり、札幌地裁が四月末に売却を許可。担当業者も決まり、早ければ五月中に工事を始め、約三カ月かけて更地にする。
遊園地の土地を所有する夕張市は遊具が放置されれば将来、景観悪化や倒壊の危険が生じると危惧(きぐ)していた。
同遊園地は、石炭博物館など八施設が集まる石炭の歴史村の目玉施設だった。第三セクター「石炭の歴史村観光」が遊具を所有し営業していたが、市の財政破たんで閉鎖。同観光も〇六年十一月末に自己破産した。
遊具には、建設時の融資の抵当権が合計約二億二千万円設定され、破産管財人が、遊園地ごと買い取って営業再開する業者を探したがまとまらなかった。このため遊具をスクラップにして売却し解体・撤去費用をまかなう案が昨秋に浮上。管財人が今春、入札を実施し、札幌の大手リサイクル業者が担当することが決まり、全債権者が抵当権解除に応じる見通しも固まった。
遊具はスクラップで売るほか、大観覧車、ジェットコースターなど三遊具は、中国に輸出し再利用する引き合いも仲介業者から来ており、検討しているという。夕張市の羽柴和寛副市長は「旧三セクの負の遺産が解消できて良かった。跡地は、市民活動や地域振興に役立てたい」と話している。
(北海道新聞より引用)